千代鶴是秀
タカヤマさんの言葉。
床の間自転車という言葉があるくらいで、自転車でも釣り道具でも、希少価値の高いモノは使わずに飾っておく人はけっこういるはず。
自分もそのくちだけど。
でも使ってやらないと、それこそ宝の持ち腐れになるということだろう。
そんなタカヤマさんは木工職人。
だからノミやカンナなど、様々な道具を使って仕事をする訳だけれど、使わなくなった道具はそれがどんなに高価であったとしても、使える人にあげてしまうのだ。
「いい道具は受け継がれていくからね、買うときは良いモノを買うようにしてる。」
すごいなぁと、いつも感心してしまう訳だが、一つだけ使わずに箱に封印してしまった道具があるという。
千代鶴是秀という人物のもので、これだけは使わないと言う。
しかし道具は使ってこそ生きると言っていたのに、なんだか矛盾するなぁと思ってたずねてみた。
すると、「使わずとも切れるということが分かっている。」という。
その道具はそれほどの人物が作ったものであって、晩年は「残す道具」として作っていたのだとか。
もはや使ってこそ生きるというような次元ではないということかな。
普通なら神棚に奉っておくような道具でもガンガン使ってきたタカヤマさんの言葉だから、少なくとも僕には説得力十分である。
タカヤマさんは毎回ホットコーヒーを4杯飲む。
過去に6杯飲んだことがあるけれど、さらに7杯飲んだことのある強者は彼の息子のタカヤマ君だ。
この二人と出会えたことだけでも、お店を開いた価値はあったなと思っている。
そしてなんと幸運なことか、そう思えるお客さんがたくさんいるということ。
不思議な不思議な珈琲の世界よ。
カップの中は、宇宙なのよ。
夜の営業は一月いっぱいで終了となります。深夜営業では素敵な出会いがたくさんあり、感謝しております。3月より朝8時半〜夕方5時の営業時間となります。


